中東ちょっと長め旅行記
〜「帝国」の辺境を行く旅〜




3日目 (8/2)
谷底の遺跡(ペトラ)


08:30 ホテルを出て、ペトラの遺跡群の入り口へ。この遺跡、谷間の底にあるので、道は下りである。現在の街よりも遺跡が低い場所にあるというのはかなり珍しい方であろう。

ホテルから見た朝の光景

09:00 入り口はシークと呼ばれる谷間のような岩山の切れ目の通路が1.2kmほど続いている。通路の横には動物用と人間用の水路が続いている。そして、通路の切れた先にはエル・ハズネと呼ばれる宝物庫が岩山に掘られている。かの「インディアナ・ジョーンズ」に出てきたあれである。

シークの中

シークから見たエル・ハズネ

10:00 谷間をさらに進む。ペトラを最初に作ったのはナパタイ人であるが、ペトラは紀元63年にローマ帝国のトラヤヌス帝に征服されている。そして、ローマの占領後には劇場や凱旋門が作られ、さらにビザンチン時代には教会まで作られている。このように時代をまたがっていろいろと建造物が作られているのだが、圧巻はやはりナパタイ人による墳墓群である。岩壁をくりぬいたお墓が、一般庶民用の小さいお墓から王族の大きい物まで多数あり、さながら遺跡全体がネクロポリス(ギリシャ遺跡の墳墓群)といった感がある

庶民のお墓

未完成(?)の王族級のお墓

ローマ劇場跡。ただし、ナパタイ人の頃は葬儀場だったという。

ナパタイ大神殿

トラヤヌス帝の凱旋門

12:30 谷間を越えて丘を登り、エド・ディルと呼ばれる修道院跡へ。岩に掘られたという点ではエル・ハズネと同じなのだが、こちらの方がやや大きい。

エド・ディル

12:40 エド・ディルの少し先の展望台へ。ここからもイスラエルがよく見える筈なのだが、昨日同様霞がかかっている。

「カナンの地」の光景

14:30 昼食を終えて自由時間。ナパタイ人の神殿やトラヤヌス帝の凱旋門を再度見て、ビザンチン時代の教会などに回る。こうやってみると、ナパタイ人の時代には石を積んだ建物があまり無かったようである。ここを征服したトラヤヌス帝も、ローマとはだいぶ違う都市の作り方を大分訝しかんだのではないかとと想像する。

ペトラ遺跡の中心部。手前が凱旋門、奧のお墓は左から「宮殿の墓」「絹の墓」「壺の墓」と名前が付いており、いずれも王族のもの

「宮殿の墓」と「絹の墓」

ビザンチン教会の床のモザイク

16:30 犠牲祭壇と呼ばれる高台に登る。ペトラの遺跡群を一望できる絶景の地で、ナパタイ人はここで神への犠牲を捧げたという。ここは急な階段を上るせいかツアー客があまり来ないようであるが、なかなかの絶景地である。

犠牲祭壇から見たペトラ中心部。中央がナパタイ大神殿。

犠牲祭壇から「絹の墓」「壺の墓」

 本を読み、先ほど谷間を回っただけでは、なぜナパタイ人が都市を谷間の底に作ったのか良く判らなかったのだが、ここに登ると納得した。要は、水の供給の問題なのである。周囲の山には幾つか泉があるのだが、雨の少ない地中海性気候のせいでどれもそんなに水量は多くなさそうで、ポンプも何もない昔では水をくみ出すのも大変であったろう。というわけで、いくつもの泉を集めやすい谷間の底に都市を造ったのであろう。  そんなことを考えつつ、ぼんやりしているとあっという間に30分以上が経過。しかも、ここからはこの遺跡群の今日一日歩き回ってきたところと、まだ見ていないところが非常によく判る。やはり、ペトラ遺跡を見て回るには最小限丸2日は必要である。次にここに来る機会があれば、そのときはコンロを持ってきてお茶を沸かし、のんびりしたいところである。そんなことを考えながら、ホテルに食事のために戻る。

犠牲祭壇から見たワディ・ムーサの町。町中には泉がある。

20:30 今度は、「Petra by Night」という英語のみのツアーへ出かける。シークを通ってエル・ハズネまでの間に2000個以上のろうそくを置き、エル・ハズネの前でベドウィン音楽の演奏とお茶が出るというツアーである。雰囲気はいいのだだが、15米ドルもするのはちと高い。しかも、ガイドさんが少しうるさい。多分地元でも大物のガイドなのだろう。一応きちんと解説はしてくれるのだが、客への注文も多い。「イラク戦争後、ヨルダンへの観光客が15%も減った。従って、mustでは無いがチップをおいていってほしい」などと言う。他の日本人はそんなに気にならなかったそうだが、こちらはなまじ英語がわかるだけにちょっと不愉快になる。エル・ハズネでお茶を飲んだあと、アラビア語の解説が始まったので、元来た登り道をホテルへ戻る。遺跡の中をよく歩いた一日であった。

ろうそくの光の中のエル・ハズネ





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